治療についてのくわしい説明
●ベーチェット病の治療について
現在、ベーチェット病の治療は、病気のようすである病態、また原因の推測などができはじめ、研究が進歩するにしたがって治療法もよくなっています。病態研究の進歩については、ベーチェット病の患者さんの特徴は白血球の一番多い部分を占める好中球の機能が非常に高まっている。非常に高まっていて好中球から炎症を起す物質が出されて病気が起っていると言われています。好中球という白血球の機能 が高まる原因は免疫の異常があって起っている。その免疫に関係する白血球としてはリンパ球やマクロファージがありますが、それらの影響で好中球の機能が高まっている。この好中球の機能を抑える薬としてコルヒチンが治療に導入されました。また、その上に免疫の異常があるとそれを抑える薬としてシクロスポリンなどの免疫抑制薬が導入されました。しかしその先に何が出来るかということはまだ分かっていないので、本当の原因治療にはつながっていませんが、治療法が段々良くなっていることは確かなことなのです。
●最近のベーチェット病の治療法
最近は、エイコサペンタエンサンという物質が効くのではと考えられています。この物質は青魚などに多く含まれる不飽和脂肪酸の一つなのですが、ベーチェット病の治療に導入されました。エスキモー人が長生きをしますが、それは魚をよく食べて特にエイコサペンタエンサンの摂取が多いからだと言われています。長生きの原因がエイコサペンクエンサンであるのは、この物質が動脈硬化の抑制作用があるからだということが分かり、世界的に有名になってこれが薬となったのです。現在この薬がどのような病気で保険適用になるかと言うと、動脈硬化により血管がつまった病気、閉塞性動脈硬化症という病気です。この病気では保険でエイコサペンタエンサン製剤が使えます。最近では血液中の脂肪が多い高脂血症でも使えます。残念ながらベーチェット病では、この薬が保険適用が受けられません。この薬がベーチェット病のアフタ(潰瘍)や皮膚症状などに有効性があるのではないかと考えられます。
神経ベーチェット病については、神経症状はステロイドホルモンという薬でよくなる患者さんが多いのですが、一部にはそれを使っても症状が進行する患者さんがいます。そういう患者さんには免疫抑制薬を使います。これを使うと症状がかなり抑えられるのです。神経ベーチェット病は全体の一割位の患者にみられます。急に症状が出るような患者さんはかなり症状が良くなる傾向にあるのですが、徐々に症状が進行する患者の治療はむずかしいです。